新課程になり、共通テストの数学2BCの選択問題が増えました。選択方法も4通りとなり、何を選択するべきか悩んでいる人もいるでしょう。入試形態や理系・文系によっておすすめの選択方法も異なります。
この記事では、新課程共通テスト数学2BCの選択問題について徹底解説し、おすすめの選択方法をタイプ別で紹介します。この記事を読めば、共テ数学の選択問題に悩むことはなくなります。
選択問題の概要
新課程共通テスト数学2BCの選択問題は「数列・ベクトル・統計的な推測・平面上の曲線と複素数平面の4つうち3つ選択」という形式になっています。
配点は各16点×3=48点。旧課程と比べて選択数が増えたため配点も上がっています。
ここで、各選択問題の内容について見ていきます。
数列
日常生活と絡めた問題を作りやすく、条件設定が複雑な場合があります。過去の出題内容は以下の通りです。
- 2025(試作問題):等差数列・等比数列・漸化式の問題。
- 2024:漸化式の問題。前半は基本的な形の漸化式だが、後半は見慣れない形の漸化式が現れる。
- 2023:漸化式と等比数列の問題。福利計算を2つの方法(漸化式と等比数列の和)で求める。
- 2022:漸化式の問題。歩行者と自転車の移動の規則を問題文とグラフから読み取る。
- 2021:等差数列と等比数列の問題。ある関係を満たす数列を誘導に従って求めていく。
見ていただければ分かる通り、漸化式が頻出です。出題傾向は2パターンで、「文章やグラフから自分で数列を作り解いていくパターン」と「ある関係式(ほぼ初見の形)を満たす数列を誘導に従って解いていくパターン」があります。
数列の問題はほか選択科目と比べ難易度が上がるケースがあります。読解力・初見への対応力が試される問題であると言えます。
ベクトル
比較的典型的な問題が多く、やることが分かりやすいです。ただし、計算量は多い方なので練習が必要です。過去の出題内容は以下の通り
- 2025(試作問題):平面・空間ベクトル。正五角形と正十二面体の問題。
- 2024:空間ベクトル。直線用の定点と動点の距離、2つの動転の距離が最小となる状態を調べる問題。
- 2023:空間ベクトル。三角錐の問題で内積計算が多い。ベクトル方程式を選択する問題もある。
- 2022:平面ベクトル。円と直線の問題で、点の存在範囲も問われている。
- 2021:平面・空間ベクトル。正五角形と正十二面体が題材で、内積や頂点を結んででいる図形の形状について問われている。
平面か空間かはランダムであるため、どちらにも対応できるよう勉強しておく必要があります。ベクトルの基本的な問題ができれば十分対応可能であると言えます。
統計的な推測
出題内容のバリエーションが少ないため、対策がしやすい単元です。ただし、2次試験で問われることはほとんど無いです。出題内容は以下のとおりです。
- 2025(試作問題):区間推定、仮説検定。
- 2024:標準偏差・確率変数の計算。晴れの日曜日の数についての分析。
- 2023:信頼区間などの計算、確率分布の考察。ピーマンの重さのデータ。
- 2022:確率密度関数を使う計算。じゃがいもの重さについて。
- 2021:標準偏差や信頼区間、確率などの基本的な計算問題。高校生徒の読書時間の調査について。
典型問題ばかりが出題されています。ただし、2024年の問題のように設定の把握が難しいケースがあるため油断はできません。やはり読解力が試されます。
平面上の曲線と複素数平面
もと数3の内容で、過去に出題されたのは1997~2006年のセンター試験時代です。出題内容は以下の通り。
- 2025(試作問題):二次曲線の分類、点の回転、偏角、絶対値。コンピュータソフトを用いて作られた点やグラフの問題。
過去問が使えないため共テ形式の対策は難しいですが、試作問題を見る限り基本問題が出題されています。ただし、共テでよく見る「コンピュータソフトで作られた点やグラフ」のような問題は読解力や初見の対応力が試されます。
数学の勉強法・その他単元についてはこちらの記事で紹介しています!
→[大学入試]数学の勉強法と単元の優先順位
選択の仕方
次のように選択することが主流になっています。
- 文系:数列&ベクトル&確率統計
- 理系:数列&ベクトル&平面上の曲線と複素数平面
文系の方にとっては平面上の曲線と複素数平面は負担が大きく、二次試験でも使用しないためこの選択になるでしょう。逆に理系の方にとっては、確率統計以外は二次試験で使用するためこの選択になる人が多くなるでしょう。
もちろん、個人の得意・不得意に沿って決めていただくのが一番です。1点でも多く点数が取れる選択が最善ですからね。
取り方4パターンのメリットとおすすめの人をまとめました。
選択単元 | メリット | おすすめの人 |
---|---|---|
数ベ統 | ・平面上の曲線と複素数平面を勉強しなくて済む。 ・過去問での対策がしやすい | ・文系の方全般 ・2次で平面上の曲線と複素数平面を使わない人 |
数べ複 | ・統計的な推測を勉強しなくて済むため、2次の勉強につながりやすい(理系)。 | ・理系の方全般 ・統計を意地でもやりたくない人 |
数統複・ベ統複 | ・数列orベクトルを避けられる。 | ・数列orベクトルが苦手な人 |
また、4つ全てを勉強していおいて本番出来そうなものを選ぶという方法もありますがあまりオススメしません。理由としては「時間がかかりすぎること」と「本番に行うことが1つ増えてしまうこと」が挙げられます。
共テ前は他科目の対策も同時に行っていかなければならないため負担はなるべく減らしたいです。また、本番中に決めることはそれなりにリスクが伴うので、前もって決めておき勉強する内容は絞っておきましょう。
まとめ
今回は、共通テスト数2BCの選択問題について解説しました。各単元の特徴とご自身の入試形態・進路に合わせて適切な問題を選んでください。
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