この記事で学ぶこと
- 相対質量
- 原子量・分子量・式量
原子の相対質量
原子の質量は非常に小さく、最も軽い水素原子1個の質量は1.67×10-24g(=0.00000000000000000000000167g)です。理論的な計算をするにあたって、この値は扱いづらいです。
そこで、原子の質量を扱いやすくするために相対質量を用います。
キーワード
相対質量:炭素¹²Cの質量を12と決め、¹²Cを基準としたときの他の原子の質量のこと
水素を例にすると、下のようになります。

このとき、炭素と水素の質量の比と炭素と水素の相対質量の比は等しいです。
1.9926×10⁻²³g:0.16735×10⁻²³g (質量比)= 12:1.0078 (相対質量比)
原子量
相対質量を考えることで、原子ごとの質量を考えることができました。
次は、元素ごとの質量を考えます。同じ元素でも中性子数が異なる同位体どうしでは、相対質量が異なります。同位体を考慮して元素ごとの質量を決めたものが原子量です。
キーワード
原子量:同位体の存在比を考慮して求めた相対質量の平均値
具体的に炭素の原子量を求めてみましょう。
自然界には¹²Cと¹³Cが存在し、それぞれの割合・相対質量と炭素の原子量は以下のようになります。

各元素の原子量は、問題文に記載されていることが多いため覚える必要はありません。
分子量・式量
分子量
分子の相対質量を分子量と言います。
分子量は、分子を構成する元素の原子量の総和です。

式量
イオン・イオンからなる物質・金属などの相対質量を式量と言います。
式量も、それぞれを構成する元素の原子量の総和です。
イオンは電子が元の原子より数個多いor少ない状態ですが、電子の質量が原子核の質量に比べて無視できるほど小さいため元の原子の質量と同じと考えてよいです。
